百日ぜき菌の電子顕微鏡画像(国立健康危機管理研究機構提供)

 国立健康危機管理研究機構は24日、激しいせきが続く「百日ぜき」の今年の累計患者数が、速報値で3万1966人になったと明らかにした。現在の集計法となった2018年以降では、19年の1万6845人が最多だった。24年は4千人余りで、既に8倍弱となっている。

 乳児は重症化して死亡することもある。患者の多くは10代以下の子どもで、家庭内で兄や姉から乳児にうつることが懸念されている。

 機構によると、全国の医療機関から9〜15日に報告された患者数は2970人で、1週間当たり3千人を超えた前週に次ぐ高い水準。感染拡大が続いており、25年の累計は過去最多を大幅に更新する見込み。

 「百日ぜき菌」が原因で、感染力が非常に強く、飛沫などで感染が拡大する。7〜10日の潜伏期間を経て風邪の症状が現れ、次第にせきが激しくなる。乳児は肺炎や脳症を併発することもある。