6月末で引退するJR東海の311系電車。JR東海の普通・快速列車向けの車両としては、初めて最高時速120キロを実現。岐阜・名古屋地区の東海道線を中心に30年以上活躍してきました。読者の皆さんから募った思い出やアンケートをもとに、その足跡を振り返っていきます。(岐阜新聞デジタル独自記事です)

引退が迫り、記念の装飾が施された311系(前4両)=2025年6月1日、東海道線西岐阜~穂積駅間

 311系が登場したのは1989年7月。東海道線の新快速を中心に走りました。全部で15編成60両が作られました。99年の313系登場後は普通列車で走ることが多くなりました。

 囲み記事で、読者から寄せられた思い出を紹介します。

 平成元年の夏、311系がデビューしたばかりの頃だったかと思います。研修のために2週間ほど、名古屋から岐阜へ通っており、朝7時台の311系8連快速の先頭クハに好んで乗車していました。当時の120km/hは大変速く感じたもので、某乗用車じゃないけど、まさに「足のいいヤツ」でした。(^^)

 登場直後、最高時速120キロの走りは、多くの利用者に強い印象を与えました。

終点の大垣駅は目前。揖斐川を渡り築堤を駆け下りる新快速。後ろ4両が311系=2025年6月15日、東海道線穂積~大垣駅間
 311系の椅子は、寝るのにちょうど良い硬さと角度だと思います。313系の背もたれは垂直に近いのでよく寝られません(笑)。
 311系はよく名古屋に行く時お世話になりました!あのすべてクロスシートのかっこよさや、ふかふかな座席に座れたことなど、今になっては私の宝物です!
36年間お疲れ様でした。
 高校大学の通学でお世話になりました。駅で待っている時にこれが来ると正直ハズレと思っていましたが313系より暑い時期のエアコンの効きは良かったような気がします。

 座席など車内についても、思い出が多く挙がりました。

 3扉の転換クロスシート車。311系が登場した頃、全国各地に同様の特徴を持つ車両が登場しました。

 後継車両が登場していますが、311系ならではの良さは、古くなっても色あせませんでした。

 2、3年ほど前から、車体外側の号車札受けが取り外され、何か淋しいものを感じました。ラストランまで無事に走ることを願っています。

 数年前から「そろそろ引退では…」との予測が広がっていました。

 2022年の新型通勤電車315系登場から、じわりじわりと引退が進んできた311系。残りは2編成になりました。

朝ラッシュ時の米原行き普通列車=2025年5月21日、穂積駅

 「311系で思い浮かぶ種別と行き先は?」という問いのアンケートを、6月20日午後7時から23日午後1時にかけてX(旧Twitter)で実施しました。

 仕様上、選択肢が四つしか作れません。選択肢は迷いに迷いました。種別に[ 特別快速 ]を盛り込んでおけばよかったかなとも思っています。

 結果は次の通り。

 

  [ 新快速|大垣 ]が4割以上の得票。やはり311系は新快速のイメージが強いです。

 次いで[普通|岐阜]、[普通|米原]が続きました。岐阜折り返しの普通は、313系登場後に見かける機会が増えました。...