日銀本店

 日銀が16、17日に開いた金融政策決定会合で、国債購入の減額ペースを巡り、政策委員から「速すぎると、市場の安定に不測の影響を及ぼす可能性もある」との意見が出ていたことが25日、分かった。日銀が会合の「主な意見」を公表した。

 日銀は金融正常化の一環で国債の買い入れの減額を進めている。会合では減額ペースを2026年4月から緩めることを決めた。国債への需要が減ることで金利が急上昇し、経済や市場が混乱しないよう配慮した。

 日銀の国債保有比率に関し、ある委員は「できるだけ速やかに引き下げることが望ましい」と指摘しながらも、減額を急ぎすぎて将来逆に購入額を増やすことになった場合は「市場の混乱を招く可能性を不必要に高めかねない」との懸念を示した。

 日銀は経済や物価が見通し通りに推移すれば利上げを進める方針だ。国債購入の減額ペースを緩めることは「金融政策運営スタンスの変化を意味するわけではない」との意見も出た。