訪問介護事業所「ゼロ」自治体数の推移

 ヘルパーが高齢者宅を訪れて身の回りの世話をする訪問介護サービスを提供する事業所がゼロの自治体が、2024年末時点で32都道府県の107町村に上ることが25日、共同通信の集計で分かった。人口減少や高齢化が進む中山間地や離島の自治体が目立った。物価高などに伴う経営難やヘルパー不足が影響したとみられる。団塊世代が75歳以上となり、介護需要が高まる中、過疎地でのサービス提供の脆弱さが浮き彫りとなった。

 利用者が必要なサービスを受けられない状況を避けるためにも、事業所の広域連携や経営の効率化を進めることが有効との指摘があり、行政による支援の強化が求められる。人手を確保するためヘルパーの賃上げなど待遇改善も重要となる。

 厚生労働省が公表している事業所の全国一覧に基づき集計。訪問介護事業所がゼロの自治体は22年末は93町村、23年末は97町村で増加傾向にある。24年末の107町村を都道府県別で見ると、北海道の14町村が最も多く、長野10町村、沖縄10町村、福島8町村、高知8町村が続いた。