G20を取り巻く状況

 日米欧の先進国に新興国を加えた20カ国・地域(G20)が7月中旬に南アフリカで開く財務相・中央銀行総裁会議を巡り、トランプ米政権が事前の実務者協議に応じていないことが26日分かった。ベセント財務長官が欠席し、共同声明を取りまとめられなかった2月の同会議と同様、今回も声明の採択が困難な情勢。米国の高関税政策やイラン情勢の緊張など世界経済の課題が山積する中、G20の足並みの乱れが鮮明だ。

 財務相・中銀総裁会議では、開催の1カ月程度前から議題や声明の文言に関し、参加国が事務レベルですり合わせるのが通例だ。複数の外交筋によると、米国は既に行われた事前協議に参加しなかったという。

 議長国の南アは声明の公表を目指しているが、米国がベセント氏の派遣を再び見送る可能性が指摘されている。

 トランプ大統領は南アに対し、白人の土地を収奪していると一方的に非難してきた。財務相・中銀総裁会議だけでなく、2月の外相会合はルビオ国務長官が出席しなかった。

 ロシアと中国も含むG20は、機能不全が指摘されている。