原子力防災会議であいさつする石破首相(右から2人目)=27日午前、首相官邸

 政府は27日、首相官邸で原子力防災会議(議長・石破茂首相)を開き、東京電力が再稼働を目指す柏崎刈羽原発(新潟県)の事故に備えた住民避難計画を了承した。計画了承は事実上の再稼働手続きの一つ。残るハードルは地元同意だけとなり、再稼働への賛否を明らかにしていない新潟県の花角英世知事の判断が焦点となる。

 東電は、柏崎刈羽原発の再稼働を福島第1原発事故の賠償と経営再建の柱に位置付ける。原子力規制委員会の審査に合格した6、7号機のうち、6号機を優先して再稼働させると表明している。

 避難計画は柏崎刈羽原発の半径30キロ圏内が対象。9市町村の約41万6千人が事故の進展に応じ、避難や屋内退避を実施する。避難先は新潟県内で確保した。能登半島地震の際に志賀原発周辺の道路が寸断された教訓を踏まえ、自然災害と原発事故が重なる複合災害に備え複数の避難経路を設定。豪雪時は天候が回復するまで屋内退避を優先し、自衛隊などに除雪作業や避難支援を要請する。