日銀は27日、2024年7月に発行を開始した新紙幣の流通状況を明らかにした。紙幣全体の中で占める割合は5月末時点で28・8%と、3割に届かなかった。04年に紙幣を刷新した前回は同じ期間で6割に達しており、半分以下のペースにとどまった。低金利で「たんす預金」が増加したことやキャッシュレス決済の広がりが要因とみられる。

 新紙幣は7月3日で発行から1年を迎える。5月末時点で世の中に流通する紙幣は約160億枚で、このうち新紙幣に置き換わったのは約50億枚だった。

 たんす預金の増加で紙幣の総枚数が増えているほか、日銀と金融機関での紙幣のやりとりが減少傾向にあると、日銀は分析している。