文部科学省の有識者検討会は27日、国の基幹ロケット「H3」の今後の改良方針を大筋で了承した。改良は段階的に進め、まずは複数の衛星の同時搭載機能を実現。次に年間の打ち上げを6〜8回以上、間隔は最短で2週間とすることを目指す。より重い衛星への対応や遠距離輸送も可能にする新型エンジンの開発にも取り組む。
世界的な衛星打ち上げ市場では高頻度の打ち上げと高い信頼性を実現した米スペースXが圧倒的な存在感を誇り、新たな大型ロケットの参入も相次ぐ。2023年に導入されたH3は日本政府の衛星打ち上げを担うだけでなく、研究機関や企業のニーズに柔軟に応え、国際競争力をつけていくことが求められている。