【ベルリン共同】ドイツ連邦議会(下院)は27日、国内に滞在する一部の難民について、家族の呼び寄せを2年間停止する法案を賛成多数で可決した。5月に発足したメルツ政権の移民政策厳格化の一環。家族の呼び寄せを阻止することで、流入する難民の人数を抑制するのが狙い。近く連邦参議院(上院)で審議され、可決される見通し。
対象となるのは、国連難民条約で保護の対象とならないものの、人道上の理由で滞在が認められた難民。シリア難民など約38万人に上るとされる。未成年者や健康上の理由など特別な事情がない限り、原則2年間、家族を呼び寄せることができなくなる。
ドイツは2015年の欧州難民危機を受け家族の呼び寄せを制限しており、現行では月最大千人の上限を設けていた。
メルツ政権は先月、移民排斥を掲げ台頭する右派政党の支持層を取り込むため、難民申請者の入国を国境で拒否できる措置を導入。ベルリンの行政裁判所が今月2日、入国拒否を違法と判断したが、政権は継続する方針を示している。