大勢の人が見守る中、種子島宇宙センターから打ち上げられるH2Aロケット50号機=29日午前1時33分、鹿児島県南種子町

 29日未明に鹿児島県の種子島宇宙センターで実施されたH2Aロケット最後の打ち上げでは、見物が可能な島内の公園などに住民らが詰めかけた。暗闇の中、炎を噴き出しながら機体が上昇。見物の人々も光に包まれ、大きな歓声が上がった。

 島の南部にある宇宙センターから約6キロ北西の長谷展望公園には、未明にもかかわらず約1300人が集まった。町の関係者は「これまでで最多ではないか」と話す。

 北部の西之表市から来た名越光璃さん(7)は「大きな音と光が心に残った。次のH3も楽しみ」と目を輝かせた。隣の屋久島から訪れた40代女性は、夜間の打ち上げ見物は初めて。機体の上昇時は「昼間のように明るくなった」と驚いた。

 島内中部・中種子町の島忠吉さん(71)は有終の美に「お疲れさま」と感慨深げ。「H2Aは島の誇り。H3にはその思いも引き継いでほしい」と後継機にも期待した。

 発射地点の北に位置する恵美之江展望公園でも数十人が見守った。成功がアナウンスされると拍手が起こった。