「甲子園の借りは甲子園でしか返せない」。選抜初戦敗退後、高橋正明監督が大垣日大ナインにかけた言葉だ。さらに言う「そのためには、全く別のチームになっていないとだめだ」。その言葉通り、ナインは投攻守すべてに格段の進化を遂げた。豊富な投手陣による投手力の高さは間違いなく岐阜県ナンバーワン、さらに1年の加入、2年の成長でチーム力は見違えるほどレベルアップし、優勝争いの軸として夏に挑む。聖地でリベンジを果たすために。(岐阜新聞デジタル独自記事です)
◆県内一の投手力 選抜のリベンジに燃えるエース中野
左右3枚、計6人の投手陣の中で、選抜はひじ痛のため登板できなかった2年生左腕エースの谷之口翔琉は調整が遅れ気味だが、投手陣の中でも格段の進化を遂げたのが、3年生右腕エースの中野翔真だ。
選抜1回戦の西日本短大(福岡)戦で6失点するなど甘く入った球を痛打されることがあったが、制球、球威ともに増し、調子を上げている。
プロ注目の岐阜県ナンバーワン右腕・帝京大可児の富田櫂成と投げ合った春季県大会2回戦では決勝ソロの1点に泣いたが、その後の練習試合では享栄(愛知)に3安打、神戸国際(兵庫)には7回内野安打2本のみ。掛川西(静岡)も7回4安打1失点と強豪相手に結果を残している。
抽選があった6月21日の龍谷大平安(京都)も先発して5回無失点。28日の春の東海覇者・三重戦も1失点の好投だった。

選抜で1巡目はパーフェクトだったのに四回から連打を浴びた苦い経験もある。「2巡目が課題だった」と語る中野だが「春の県大会以降は、まっすぐが強くなったことで2巡目以降もしっかり打ち取れるようになった」と語る。
またナチュラルにシュートするのが特徴で、選抜でも中へ入って痛打された経験から、「シュートする具合を見極めて、いつもより外へ投げるなど調整できるようになった」と語る。
それも聖地を経験したことで、中野を成長させた大きな要因だ。開幕前最終戦となった29日の天理(奈良)戦は4本塁打...