文部科学省

 小田原短大(神奈川県)の通信教育課程で、幼稚園教諭免許(2種)取得に必要な試験の際、履修で使用する「学習の手引」の模範解答の持ち込みを認め、書き写しができる状態だったことが30日、短大への取材で分かった。文部科学省は丸写しを確認し、不適切だと指導。2023年度にはこの試験を受け1700人超が免許を取得していた。

 小田原短大によると、単位取得に必要な最終試験で、学習の手引に書かれた問題と同じ内容が出題されていた。文科省は6月までに、不適切だったとして口頭で指導した。

 短大のホームページによると、23年度の幼稚園教諭免許(2種)取得者は1759人。札幌市などの姉妹校でも同様の試験が実施されていたため、合格者数はさらに多いとみられる。

 持ち込みを巡り、札幌市にある系列の専門学校に勤めていた男性教員が、内部資料を報道機関に流出させたとの理由で懲戒解雇されたのは不当だとして、地位保全などを求める仮処分を30日、札幌地裁に申し立てた。

 男性によると、この専門学校は20年度以降、「学習の手引」の持ち込みを許可。