厚生労働省は30日、患者の自己負担を抑える「高額療養費制度」の見直しに向けた専門委員会を開いた。白血病やアレルギー疾患の患者団体の代表らが出席し、治療や薬の利用を続けるのが困難になるとして、自己負担を重くする見直しに反対した。政府は3月、自己負担を8月から重くする見直し案を全面凍結し、秋までに再検討する方針を決めていた。
現行制度は年収や年齢に応じて自己負担の上限額が異なる。白血病の患者や家族の支援団体は、現行制度でも負担を重く感じている患者がいるとして「制度見直しは命や生活に直結する」と訴えた。
アトピー性皮膚炎やぜんそくといったアレルギー疾患の患者団体は、薬代が高額なため治療を続けられるかどうか日常的に不安を抱えていると主張。「経済的負担が増えれば患者を追い詰めてしまう」とした。