【ローマ共同】16世紀後半に「天正遣欧少年使節」がローマ教皇に謁見してから今年で440年になるのを記念し、イタリアの研究者らがこのほど詳細な旅の様子を再現した書籍を刊行した。文書館や教会施設に残された史料を調べ上げ、イタリア各地を巡った使節の足跡をたどったという。
天正遣欧少年使節は、1582年にキリシタン大名の大友宗麟らの名代としてローマに派遣された少年4人を中心とする使節団。85年にイタリアに到着し、同3月にローマで当時の教皇グレゴリウス13世に謁見。滞在中に教皇が死去し、後継のシクストゥス5世の戴冠式に出席したほか、ベネチアやミラノなど各都市も訪問した。
書籍は「TENSH☆ 天正」のタイトルで、約530ページ。編者らによると、史料には教皇の指示を受けた高位聖職者が少年使節の歓待を各都市に要請する書簡があった。実際に使節は各地で音楽や豪華な食事でもてなしを受けた。
中部フォリーニョに残されていた記録には長い食材の購入リストがあった。
(注)☆はマクロン付きO