国立健康危機管理研究機構は1日、全国の定点医療機関から6月16〜22日に報告された伝染性紅斑(リンゴ病)の患者数(速報値)が5943人で、1機関当たり2・53人だったと発表した。感染症法に基づく集計を始めた1999年以降で過去最多を更新した。これまでの最多は今年6月上旬の2・28人。
リンゴ病は「パルボウイルスB19」が起こす感染症で、風邪のような症状の後、両頬に赤い発疹が出るのが特徴。続いて手足に網目状、レース状の発疹が広がる。飛沫や接触で感染する。
患者は子どもが中心で、通常1週間程度で回復するが、妊婦が初めて感染すると流産や死産につながったり、胎児に強いむくみが生じる胎児水腫や、胎児貧血を起こしたりすることがある。
厚生労働省は、妊娠中で多くの子どもに接する職業の人は特に注意が必要だとして、手洗いやマスク着用などの感染対策を促している。日本産科婦人科学会は、子どもとの食器の共有を避けるなどの対策の徹底を呼びかけている。