松倉絵馬市に向け、制作が最盛期を迎えている紙絵馬=2日午後1時31分、高山市八軒町、池本屋

 飛騨高山の夏の風物詩である松倉絵馬市(8月9、10日)に向け、縁起物の紙絵馬の制作が岐阜県高山市内で最盛期を迎えている。

 飛騨地域では、かつて牛馬を連れて松倉観音(同市松倉町)を参拝する風習があったが、紙絵馬で代参するようになった。紙絵馬は、馬の頭を家の中に向けて玄関に飾ると、福を呼び込むとされている。

 創業200年の同市八軒町の松倉絵馬総版元「池本屋」では、6代目の池本幸司さん(54)ら家族3人が制作に励む。国産の和紙の上に筆を走らせ、躍動感あふれる馬の絵を墨で描き、色鮮やかに彩色。来年は午(うま)年ということもあり、例年よりも多い千枚以上を目指しているという。池本さんは「『今年も元気に過ごせたよ』と言ってもらえるとうれしい。皆さんの健康や開運を願って描いている」と話していた。