【ブリュッセル共同】欧州連合(EU)のカラス外交安全保障上級代表は2日、ブリュッセルで中国と13回目の戦略対話に臨み、ウクライナ侵攻を続けるロシアを中国企業が物資面で支えていることは「欧州の安全保障にとり深刻な脅威だ」と強調し、即座に停止するよう要求した。終了後、EU側が明らかにした。
中国からは王毅外相らが出席。カラス氏はウクライナ情勢を巡り、国連憲章を尊重した形での無条件で完全な停戦の実現に向け、中国の協力を求めた。カラス氏は戦略対話の開始前に共同通信などに寄せた声明で「欧州での戦争を手助けしながら、欧州との関係強化を求めるのは矛盾している」と中国の姿勢に疑問を呈していた。
通商問題では、中国によるレアアース(希土類)の輸出規制も議題になった。カラス氏は「欧州の企業を危険にさらし、世界のサプライチェーン(供給網)を揺るがしている」として、規制をやめるよう促した。台湾問題についても、現状変更につながる一方的な行動には反対を表明した。