インドに亡命中のチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世が、中国チベット自治区で信仰を集め続けている。中国政府の介入を受けずに後継者を選ぶとの方針を2日に示した際も、中国の仏教徒の支持を得ているとアピールした。中国政府は「分裂主義者」と敵視するが、信者たちは「彼は心の中にいる」と話す。ただ一部の若者の間では関心の低下もみられる。
「ダライへの信仰が変わったことは一度もない。みんな同じだ」。6月、区都ラサのチベット族が多く暮らす地域の店先で、60代の男性は声を殺しつつ力強く語った。50代後半の友人男性も「私たちにとって彼はこれだ」と親指を立て、指導者として揺るがぬ存在だとの思いを示した。
2人によると多くの家庭では今でも、所有を禁止されたダライ・ラマの肖像写真を隠し持つ。過去にはオーストラリアやスイス、韓国の旅行客が写真を持ち込んでくれたという。以前は外で持ち歩くこともできたが「今は警察に捕まる。危なすぎる」と話した。