ベトナムはトランプ米大統領への徹底した協調姿勢で貿易交渉の合意にこぎ着けた。早期に対話を始めて閣僚級の折衝を重ね、企業トップらも「米国製の購入」を発表するなど国を挙げた総力戦を展開。トランプ一族企業のベトナム事業を推進し、追い風にしたとの見方もある。
布石は3月から打っていた。米国などからの一部輸入品を対象に関税を引き下げる方針を公表。46%の「相互関税」発表後の4月4日には、最高指導者のトー・ラム共産党書記長がトランプ氏と電話し、両国が互いに課す関税を0%にすることを提案し「非常に生産的だった」と評価された。