石川県の住民などが北陸電力志賀原発2号機(石川県志賀町)の運転停止を求め、2006年に金沢地裁が全国で初めて運転差し止めを命じた訴訟の記録が廃棄されていたことが3日、地裁への取材で分かった。記録を永久的に保存する「特別保存」に認定されておらず、16年に廃棄されたという。地裁は「当時の基準で期限を迎えたため」と説明している。
現在金沢地裁で進行中の原発差し止め訴訟の北野進原告団長は取材に「日本の裁判史上意味のある判決で、廃棄する感覚を疑う」と話した。
訴訟は2号機について住民などが北陸電力を相手取り提訴。一審は住民側の請求を認めた。控訴審で電力側が逆転勝訴、10年に最高裁で確定した。