政府の地震調査委員会は4日、鹿児島県十島村のトカラ列島で最大震度6弱を記録した地震を受け、臨時会合を開いた。会合後に記者会見した平田直委員長(東京大名誉教授)は、周辺の過去の地震履歴から「(今後)3日や1週間で終わるということはない。いったん静かになっても活発化することがある」と長期化への懸念を示した。
また今回の群発地震に伴い、周辺の地殻が数日で数センチ動いたとして「能登半島地震が数年かけて数ミリ、数センチだったのに比べ極めて大きい」と指摘した。地下で何らかの大きな力が加わり、地震活動を促進した可能性があるという。
地震調査委によると、トカラ列島では6月21日から震度1以上が断続的に発生。6月下旬に一時落ち着いたものの、再び活発化した。震源は悪石島から小宝島の間の海域に集中していたが、東西に拡大した。
一連の地震でマグニチュード(M)が最大だったのは、2日に発生したM5・6。地殻変動の観測データでは、6月21日〜7月2日に宝島の観測地点で東北東方向に1・8センチ移動後、2日以降は南方向へ4・2センチ移動した。