内戦が続くアフリカ・スーダンの首都ハルツームで3〜6月、国境なき医師団(MSF)のスタッフとして活動した大竹優子さん(44)が5日までに東京都で取材に応じた。現地の病院は戦闘で「ほとんどが破壊されて機能していない」と指摘。住民の医療アクセスが極めて難しくなっているとして、早急な対策が必要だと訴えた。
大竹さんは看護師。現地では「医療チームリーダー」として活動した。破壊されずに残る二つの病院で、他のMSFメンバーらと共に看護師の育成などに当たった。移動診療も増やしたという。
大竹さんは、現地の治安状況が悪く「住民は容易に外出できない」と語った。発電所へのドローン攻撃の影響で水道システムが止まり、住民は汚れた水を使わざるを得ず「コレラがまん延している」とも話した。
コレラ感染者以外にも、病院には連日、栄養失調の子どもら100〜200人が運び込まれた。助からない人も多かったという。
現地では7月以降、雨期が本格化。大竹さんは「生活環境がさらに悪化する恐れがある」と危機感を示した。(共同)