大阪・関西万博会場は個室トイレの1割で、性別を問わない「オールジェンダートイレ」が導入されている。性的少数者(LGBTQ)への配慮や女性トイレの行列解消が狙いだが、男性との共用を敬遠する声も聞かれる。万博での利用状況は、公共の場で今後定着するかどうかを占う試金石の一つとなりそうだ。
「静けさの森」近くにある若手建築家が手がけたオールジェンダートイレは、入り口から出口までが一方通行で、通路の両側に計30以上の個室が並び、生理用品などを捨てるサニタリーボックスが備わっている。通路には共用の手洗い場。トイレ内の奥には男性用小便器もある。
子連れから高齢者まで老若男女が続々と出入りする。隣で男性が手を洗う中、鏡付きの洗面台で化粧を直す女性の姿も見られた。
来場者の受け止めはさまざまだ。「何も気にならなかった」と話す女性がいたのに対し、奈良県葛城市の20代女子大学生は「知らない男性が使った後は入りづらい」と吐露した。
男性側からは「普通のトイレと雰囲気は同じ」(30代会社員)といった意見が目立った。