トカラ列島近海で6月下旬に群発地震が始まって2週間余り。地震の回数は過去を大きく上回り、終わりの兆しが見えない中、第1陣を上回る46人が6日、避難のため島を後にした。住民は疲労と不安をにじませながらフェリーに乗り込んだ。
6日朝、小宝島と悪石島から、リュックサックや大きなスーツケースを抱えた避難者が、慎重にタラップを上り乗船した。岸を離れる際には子どもたちが甲板に出て、残る住民に向かって大きく手を振っていた。
この日の島外避難第2陣には、2日に震度5弱を観測した小宝島も対象に。親元を離れて島で生活する小中学生の寮で寮監を務める齊藤星さん(48)は、中学生6人や自身の家族と避難を決めた。揺れは悪石島ほどではないが、避難所の設備に不安も残るという。「安全が絶対大事。早めに避難したかったので希望がかなって安心している」と話した。