警戒するSP(警護官)らに囲まれ、支援者と笑顔で握手をする自民党総裁の石破首相=5日、新潟県長岡市

 石破茂首相(自民党総裁)は参院選の街頭演説で、安倍晋三元首相銃撃事件を踏まえ、聴衆と距離を取りつつマイクを握る。首相の背後は防弾用のついたてで仕切られ、周辺のビル屋上には警察官を配置し、有権者らとの握手は短時間だ。厳戒態勢と聴衆との触れ合いのジレンマの中で選挙戦をこなしている。

 首相は8日、銃撃事件が起きた奈良市を訪れ、警備態勢の強化について「言論が暴力で侵されることがあってはならない。半面、有権者と近くで接することができないもどかしさはある」と記者団に語った。

 演説会場では所持品検査を実施。首相と聴衆の間には鉄柵を設け、20〜30メートル程度の距離が保たれている。