会談前に握手を交わす岩屋外相(左)と中国の王毅外相=10日、クアラルンプール(共同)
 岩屋毅外相、中国の王毅外相
 会談に先立ち握手する岩屋外相(左)と中国の王毅外相=10日、クアラルンプール(日本外務省提供・共同)

 【クアラルンプール共同】岩屋毅外相は10日(日本時間同)、訪問先のマレーシアの首都クアラルンプールで、中国の王毅外相と会談した。中国によるレアアース(希土類)の輸出規制について、日本企業に大きな影響が出ているとして強い懸念を表明。日本産水産物輸入再開の対象外となった宮城、福島など10都県について、早期の規制撤廃を求めた。

 両外相の会談は、3月に東京で実施して以来。両外相は、日本産牛肉の対中輸出再開に向けたプロセスを加速させるため、前提条件となる「動物衛生検疫協定」の早期発効について協議した。岩屋氏は中国軍機による自衛隊機への接近や東シナ海での一方的な資源開発を巡り、深刻な懸念を表明し、対応を強く求めた。

 会談で、岩屋氏は「日中間で問題があっても、意思疎通を強化することで関係を前に進める」と強調した。

 王氏は、両国関係の「健全で安定した発展の継続」に意欲を表明。抗日戦争勝利80年に当たり、日本側に「歴史の教訓をくみ取り、平和と発展の道を堅持することを望む」と述べた。