岐阜県飛騨市
7月13日に池ヶ原湿原ヨシ刈り取り作業を行います。今回刈り取りしたヨシは日本新聞インキ株式会社との商品化に活用します。

奥飛騨数河流葉県立自然公園促進協議会(会長:井口浩徳)は、春には40万株のミズバショウやリュウキンカに彩られる池ヶ原湿原(飛騨市宮川町)の豊かな生態系の維持・保全を目的に、地域住民や市内外のボランティア、企業などの協力を得て、ヨシ(※)の刈り取り及び外来種除去作業を実施します。

また、2025年度からは池ヶ原湿原の豊かな生態系維持を目指す奥飛騨数河流葉県立自然公園促進協議会、企業の社会的責任を果たしつつ競争力を高めるESG経営を目指す日本新聞インキ株式会社(神奈川県川崎市)、自然資本に配慮した持続可能な地域づくりを目指す飛騨市がそれぞれ協力し合いながら、湿原が持つ豊かな生態系の維持と持続可能な活用を進める「池ヶ原湿原保全プロジェクト」が本格稼働。刈り取ったヨシを繊維化・商品化し、活用することで、池ヶ原湿原のさらなるファン獲得、ボランティアの輪の拡大を目指します。

※ヨシとは、イネ科の多年草で、湿地、河川、湖沼などの水辺に生える高さ1.5~4mの大型草本。水質浄化や土壌保護など環境保全に寄与する一方、繁殖力が強く、他の植物を駆逐する。



池ヶ原湿原ヨシ刈り作業

開催概要

◆日時 
令和7年7月13日(日) 8:30~11:30 ※雨天決行

◆場所 
池ヶ原湿原(飛騨市宮川町洞)  
※池ヶ原湿原駐車場集合ののち、湿原で作業を行います。

◆スケジュール
8:30~ あいさつ・作業等の説明
9:00~ 作業開始(ヨシ刈り、オオバコ等の外来種除去)
11:30~ 森のコンサート(30分程度)・湿原散策(自由参加)

◆主催 奥飛騨数河流葉県立自然公園促進協議会・飛騨市観光協会
飛騨市らが「池ヶ原湿原保全プロジェクト」を本格稼働。



一般的にヨシは、水質浄化作用などの良い面がある一方、繁殖力・侵略性が非常に強いため、周りの植物を駆逐して単一の群落を形成することが問題視されるなど、悪い面も併せ持っています。

池ヶ原湿原では、湿原を彩っていたミズバショウやリュウキンカなどの植物を駆逐するほどヨシが繁殖し、景観悪化や生物多様性の低下が懸念されたことから、15年前(平成22年)からこれまで地域団体が多くのボランティアの力を借りて、ヨシ刈りや外来種除去などの保護・保全活動を実施してきました。

しかしながら、人の背丈を超えるヨシは、刈り取ったヨシの搬出や処分には多くの労力を要することから全てのヨシを搬出することができず、湿原内に残されたヨシがイノシシなど野生獣の棲み処となり、ミズバショウの食害も増加傾向にありました。

イノシシによる鱗茎の掘り起し

イノシシによる鱗茎の掘り起し

日本新聞インキ株式会社と繊維活用!「ヨシ」の商品化を目指して
日本新聞インキ株式会社は、1944(昭和19)年に全国の主要な新聞社40数社を株主として誕生した新聞インキの製造企業です。創業から現在まで、全国のほとんどの新聞社にインキを納入した実績を持ち、情報文化を支える役割を担っており、近年は高度な分散技術など、新聞インキ製造で培った技術を多様な分野に活かした新しい商品の開発にも取り組んでいます。

「世の中に必要とされる “いいね”をつくる」活動の一つとして「ヨシ事業」を展開し、これまで多くの企業と連携してヨシを活用した新商品の開発に取り組んでいますが、原材料となるヨシの安定確保には未だ課題を残していました。

そんな中、2024年に行われた池ヶ原湿原ヨシ刈り作業(ヒダスケ!)に日新インキ(株)の社員5名が参加し、刈り取ったヨシの一部を持ち帰り、試験を行った結果、池ケ原湿原のヨシも繊維化による活用が可能であることが確認されました。

今年は商品化に必要な量として700kgを目標に刈り取り・搬出作業を行います。






池ヶ原湿原保全プロジェクトが目指す未来

ミズバショウが咲き誇る池ヶ原湿原

池ヶ原湿原保全プロジェクトにより、これまで廃棄されていたヨシが有効活用・商品化されることは、湿原の生物多様性の維持保全や二酸化炭素排出抑制などの環境保全に貢献します。また、商品を手に取った個人・企業に飛騨市のこうした取り組みを知っていただき、新たなファンを獲得することは、ヨシ刈り等のボランティアの増加にもつながります。
今後、このサイクルを年々大きくしていくことで、飛騨市が目指す自然資本に配慮した持続可能な地域づくりを目指します。



今後の事業予定(令和7年度)

◆池ヶ原湿原保全活動(ヨシ刈り・外来種除去作業)
7月13日(日)

◆阪急交通社池ヶ原湿原保全ツアー(1泊2日行程) 
7月29日(火)~7月30日(水)

◆中京大学インターン(ヨシ刈り作業・ヨシ商品の販売企画)
8月21日(木)~8月22日(金)
※原料調達(ヨシ刈り)から商品(ヨシを活用したタオル等)の製造までの過程を学び(体験し)、その背景(サスティナブル・エシカル)を武器に企業向けノベルティとして販売する一連の過程をインターンとして実施


プロジェクト概念図

問い合わせ先

飛騨市役所 商工観光部 まちづくり観光課
担当:竹田 
TEL:0577-73-7463 
岐阜県飛騨市
飛騨市は、人口約21,500人の小さな市で、周囲を北アルプスなどの山々に囲まれ、総面積の約93%を森林が占めるなど豊かな自然に恵まれたまちです。また、豊富な自然資源のほか、ユネスコ無形文化遺産である古川祭・起し太鼓、ノーベル物理学賞の受賞に寄与した「スーパーカミオカンデ」を始めとする宇宙物理学研究施設、大ヒットアニメ映画「君の名は。」のモデル地となった田舎町の風景など、多彩で個性豊かな地域資源の宝庫です。
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飛騨市公式広葉樹プロジェクトサイト https://hidatsumu.com/
飛騨市公式薬草プロジェクトサイト https://www.city-hida.jp/yakusou/
PRTIMES飛騨市ページ https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/120394
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