街頭演説する立憲民主党の野田代表=11日午前、岐阜県大垣市

 参院選候補の応援集会で「運のいいことに能登で地震があった」と述べた自民党の鶴保庸介参院予算委員長に対する批判が与野党や被災自治体の間でやまない。立憲民主党の野田佳彦代表は11日、自民総裁の石破茂首相に責任があると非難した。共産党幹部は鶴保氏の議員辞職を要求。石川県輪島市議会は抗議文を鶴保氏に送付した。一方、首相は発言に関し一切言及していない。

 自民幹部は、9日の記者会見での鶴保氏の振る舞いについて「座ったままで頭も下げていない。最悪の会見で、むしろ逆効果だ」と強調。「すぐに参院予算委員長を辞めておくべきだった」と語った。

 野党は、鶴保氏が石川県の被災地に触れた際「たま、なんだっけ」と述べた点を問題視する。珠洲市が念頭にあったとみられ、野田氏は「被災地に失礼な発言をした閣僚たちは皆、事実上更迭された」と指摘し、首相に対応を求めた。岐阜県大垣市で記者団の取材に答えた。

 日本維新の会の吉村洋文代表は「許されない発言だ」と指弾した。共産の田村智子委員長は「議員辞職すべきだ」とした。