中国最大級の食品見本市で、自国産牛肉を中国のバイヤーに売り込むオーストラリアの業者(左)=5月、中国上海市

 【北京共同】中国ではトランプ米政権との関税合戦の影響で米国からの牛肉の輸入が低迷し、オーストラリアやブラジルなどが売り込みを強化して激しい市場争奪戦を繰り広げている。中国による日本産牛肉の輸入再開の前提となる関連協定発効が発表された11日、中国の業者は「日本の和牛を購入したい」と関心を寄せた。

 中国政府は関税合戦がエスカレートした3月、報復として米国産農産品への関税上乗せを発動。さらに、中国への輸出用牛肉を加工する米国内の施設数百カ所について対中輸出に必要な登録を更新せず、これらの施設からの輸入をストップさせた。

 天津の貿易業者は「米国産牛肉は関税で値上がりし、調達も困難になった。代替としてオーストラリアからの輸入を拡大している」と話し「日本の和牛は価格が高いイメージがあるが、中国の市場規模は大きいので価格が適度なら売れるだろう」と見通した。上海の業者も米国産の取り扱いは大幅に減ったと明かし「日本からの輸入を検討したい」と意欲を見せた。