不妊治療に伴って起きやすい多胎妊娠の際、子宮内で胎児の数を減らす「減胎手術」について、大阪大病院が外来診療を開始したことが11日、分かった。大阪大の遠藤誠之教授(産婦人科)によると、公的医療機関での外来診療は初めてとみられる。多胎妊娠はリスクが高く、母体を保護するとともに、各地で安全に手術を受けられる環境づくりを目指す。
減胎手術は、生命倫理上の問題や法的位置付けの曖昧さから、不妊治療クリニックで公表されずに実施しているケースが多いとされる。遠藤教授は「現在はグレーゾーンで、患者の心理的、肉体的負担は大きい。全国の医療機関と連携して共同研究し、安全な体制の整備を目指したい」と述べた。
遠藤教授によると、大阪大病院は目的を母体保護に限定し、胎児の先天性疾患などによる選択的手術はしない。対象は三つ子以上の妊婦と、双子で重い合併症を持つ妊婦とする。
旧厚生省の審議会は2000年、四つ子(やむを得ない場合は三つ子)では認められるとの見解を示した。