【ニューデリー共同】インド西部アーメダバードでエア・インディアの旅客機が墜落した事故で、インド航空事故調査局は12日、事故原因の初期報告書を公表し、エンジン燃料を制御するスイッチが切れており機体の推力が失われたと指摘した。同日で事故発生から1カ月。当局は引き続き原因究明を進める。
報告書によると、操縦士の1人からなぜスイッチを切ったのかと尋ねられた別の操縦士が、そんなことはしていないと否定するやりとりが音声記録に残っていた。操縦士の行動が今後の調査の焦点になるとみられる。
旅客機は6月12日、アーメダバードの空港を離陸後、高度約190メートルまで浮上。間もなく機首を上げたまま降下を始め、約30秒後に市街地にある医科大の宿舎に突っ込んだ。乗客乗員242人のうち241人が死亡し、地上にいた人も巻き込まれた。報告書によるとDNA型鑑定の結果、死者は計260人と判明した。