内閣府は12日までに、スペースデブリ(宇宙ごみ)の除去技術を使う際のルールを検討する方針を固めた。地球の周囲を漂う人工衛星やロケットの残骸を捕まえ、大気圏に落として処分する技術の開発は日本がリードする分野。だが、ごみを所有する国や企業との調整手続きが明確になっておらず、実用化に向けた壁の一つとなっている。
内閣府は近く有識者検討会を設置し、ごみの除去を巡る法的、制度的な課題を年度内に特定する。2026年に開かれる国連宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)本委員会で提示し、国際ルール形成に向けた議論を喚起する考えだ。
地球を周回する軌道上には大型のごみが多数存在する。欧州宇宙機関(ESA)によると、稼働しなくなった人工衛星が3千機近く、ロケットの残骸は約2千個に上る。衝突や爆発が起きれば多数の破片が生じて新たなごみとなり、高速で衛星や宇宙ステーションに衝突する危険が高まる。
内閣府の検討会は国際法の専門家らの参加が想定され、実用段階での課題を議論する場となる。