下野新聞社がJR宇都宮駅前で配布した特別紙面=12日午後

 一晩で620人以上の命を奪った宇都宮空襲から80年となり、下野新聞社(宇都宮市)は12日、発行できなかった空襲翌朝の新聞を特別紙面として発行した。空襲の甚大な被害を伝える内容。朝刊に折り込んで配達した。

 特別紙面は計4面。記事に加え、空襲後の市街地を撮影した白黒写真を人工知能(AI)でカラー化して大きく掲載した。見開き面では空襲の体験者と目撃者計14人の証言を伝えた。

 宇都宮空襲は1945年7月12日深夜から翌13日未明にかけ、米軍が中心市街地を集中爆撃した。下野新聞本社にも2発の焼夷弾が直撃。重傷者が出たほか、新聞を印刷する輪転機や用紙が焼失し、朝刊を発行できなかった。