4月、米ホワイトハウスで「相互関税」を発表するトランプ大統領(ロイター=共同)

 【ワシントン、ロンドン共同】トランプ米大統領は12日、欧州連合(EU)からの輸入品に8月1日から30%の関税を課すと明らかにした。4月に示した当初の「相互関税」の税率20%から引き上げた。対EUの貿易赤字を問題視した。自動車や鉄鋼など分野別に課している関税は対象外とする。自身の交流サイト(SNS)でフォンデアライエン欧州委員長宛ての書簡を公表した。

 メキシコのシェインバウム大統領宛ての書簡もSNSに投稿し、8月1日から30%を課すと表明した。合成麻薬「フェンタニル」の米国への流入を阻止する対策が不十分だと主張した。メキシコには3月、フェンタニルの流入を理由に25%の関税を発動している。

 トランプ氏はEUへの書簡で、巨額の貿易赤字を削減するため完全な市場アクセスと、関税を一切課さないことをEUが認めるだろうとしたが、EU側が実際に応じるかどうかは判明していない。トランプ氏は5月には、EUに50%の関税を課すと表明していた。

 フォンデアライエン氏は8月1日までの交渉合意を目指すとの声明を出した。決裂した場合は対抗措置を発動する考えも示した。