BRICS首脳会議に出席したイランのアラグチ外相=7日、ブラジル・リオデジャネイロ(AP=共同)

 【テヘラン共同】イランのアラグチ外相は12日、首都テヘランで開かれた各国外交関係者との会合で、イランが核兵器を保有することに「今、十分な理由がある」とする一方、現時点で保有の意思はないと強調した。国営イラン通信が報じた。イランに核開発放棄を求め、再攻撃も辞さない構えの米イスラエルに対し、将来的な方針転換の可能性を示唆することで揺さぶりをかける狙いだ。

 イスラエルによる攻撃で取りやめとなった核開発問題を巡る米国との協議に関しては「対話の準備はできている」と再開に前向きな姿勢を示した。ただ協議進行中に再攻撃されないという確約が必要だと訴えた。

 トランプ米政権が求めるウラン濃縮活動の停止については「放棄しない」と従来の立場を堅持。「濃縮活動なしには、いかなる合意も成立しない」とも述べた。

 アラグチ氏はまた、米軍が爆撃した核関連施設で放射性物質による汚染の「危険性」があるとした。施設名は明らかにしなかった。