ウクライナ南部のザポリージャ原発=2021年6月(共同)

 ウクライナの人権団体「トゥルース・ハウンズ」は16日までに東京都内で共同通信のインタビューに応じ、ロシアが占拠するウクライナ南部ザポリージャ原発の職員や家族ら関係者2千人以上が、ロシア側による拷問や違法な拘束などを経験したと明らかにした。少なくとも男性職員1人が拷問で死亡したという。

 同団体は原発関係者への聞き取りなど戦争犯罪の調査を続け、9月に報告書を公表する。オクサナ・ポカルチュク共同代表は「違法に拘束されている関係者は27人おり、職員への圧迫が続いている」と指摘した。

 ザポリージャ原発は欧州最大規模の原発。ロシアの侵攻前はウクライナの電力の2割をまかなっていたが、今は6基の原子炉が全て停止中。侵攻前に約1万1千人いた職員は約4千人に減った。

 ポカルチュクさんによると、原発が占拠されて以降、ロシア国営原子力企業ロスアトムとの雇用契約を拒否する職員に対し、電気ショックなどの拷問、性暴力や違法な拘束が行われた。

 ポカルチュクさんのインタビューは6月30日に実施した。