スーパーに掲示された営業時間短縮のお知らせ=16日午後、北海道福島町

 新聞配達員がヒグマに襲われて死亡した北海道福島町では、事故後も夜間を中心にヒグマが住宅地を活発に動き回っている。新聞販売店は配達員の被害を避けるため配達時間を遅らせ、スーパーは営業時間を短縮するなど厳戒態勢が強まる。学校は屋外活動を控え、宿泊施設では予約のキャンセルも。町民生活への影響が拡大している。

 2日連続で敷地内の物置が破壊され、中のごみが荒らされたスーパーでは、午後7時までの営業時間を6時までに短縮した。岩渕勇紀店長(47)は「商品の搬入も(裏口から)正面口からにした。お客さんや従業員の安全を第一に考えたい」と話す。外にあったリサイクル品回収ボックスも店舗内に移した。近くのコンビニは閉店を午前0時から午後7時に早めた。

 亡くなった佐藤研樹さん(52)が働いていた新聞販売所では、ヒグマが活動する夜明け前の配達は避け、午前7時からの配達に変更した。

 ペンション「鶴」では7〜8月で7件、計12人の宿泊予約がキャンセルになった。

 「ヒグマ警報」発出中の町は、夜は人や車の通りはなく静寂が続く。