記者会見する「ワーク・ライフバランス」の小室淑恵社長(右端)ら=16日午前、厚労省

 参院選で一部の政党が残業時間の規制緩和につながる公約を掲げているとして、働き方改革を推進する企業や専門家らは16日、記者会見し「『働かせたい改革』だ」と抗議する緊急声明を発表した。緩和すれば「長時間労働による過労死などの弊害を容認する社会へと逆戻りする」と警鐘を鳴らした。

 働き方改革関連法は一般業種での時間外労働の上限を原則として月45時間、年360時間と定めている。参政党は「もっと仕事したいのにできない」という弊害があるとして上限規制の見直しを主張し、公明党も「働きたいときにもう少し働ける社会へ」と労働時間のルール見直しを掲げた。

 自民党は「個人の意欲と能力を最大限生かせる社会を実現するため『働きたい改革』を推進し、人手不足の解消に努める」と明記した。

 これに対し立憲民主、国民民主、共産3党は働き方改革を推進する立場。次の始業までに休息時間を設ける制度の義務化を唱えている。

 「ワーク・ライフバランス」の小室淑恵社長は「全ての人が安心して働くには働き方改革の前進が必要」と指摘した。