「はやぶさ2」が小惑星リュウグウから採取した砂から発見された、太陽系誕生直後に形成された岩石(川崎教行・北海道大准教授提供)

 日本の小型探査機「はやぶさ2」が小惑星リュウグウから採取した砂から、太陽系誕生直後の約45億6730万年前に形成された岩石を発見したと、北海道大大学院の川崎教行准教授(宇宙化学)らの研究グループが16日、英科学誌に発表した。リュウグウの原材料物質の年代測定に成功したのは初めて。

 研究グループによると、現在のリュウグウを構成する物質は、氷が溶けた後の水にイオンが沈殿して約45億6200万年前にできた鉱物だが、鉱物に変化する前の原材料物質ができた時期は分かっていなかった。

 研究グループは砂を電子顕微鏡で分析し、0・1ミリメートル以下の岩石を発見した。この岩石はカルシウムやアルミニウムを豊富に含み、原材料物質の「生き残り」とみて調べ、年代測定に成功。太陽系誕生直後に約千度以上の高温で形成された物質だと判明した。

 川崎氏は「太陽系がどのように誕生し、進化したかを理解する上で重要な手がかりだ。米国が回収した小惑星ベンヌの試料も合わせてさらに分析を進めたい」と話した。