富山県黒部市の自宅で当時高校2年生だった長女の福山里帆さん(25)に性的暴行を加えたとして、準強姦の罪に問われた父親で無職の大門広治被告(54)の公判が17日、富山地裁で開かれた。大門被告は被告人質問で、暴行時に福山さんの体を触った理由について「魔が差した」と述べた。
被告は「(福山さんが)嫌がっていなかった」と主張。実の父親からの性暴力が娘の将来に与える影響に関しては「考えなかった」と話した。
福山さんは閉廷後「私に対して罪悪感はなかったなどという父の言葉に、深く傷つきました。私をおとしめようとする言動に、言葉にならないほどの悲しみと絶望を感じます」とのコメントを発表し、被告の主張を全面的に否定した。
起訴内容などによると、被告は髪を引っ張るなどの暴行や「言うことを聞かないと進学させない」との脅しを繰り返し、2016年8月、抵抗できない状態で性的暴行を加えたとしている。
福山さんは24年3月に実名を公表し、被害を訴えてきた。