イタリアパビリオンの主役に
*同州を主役として日本とのつながりを探るウイーク
【大阪2025年7月22日ANSA=共同通信JBN】2025年大阪・関西万博のイタリアパビリオンでは、カンパニア(Campania)州を紹介する展示エリアでテープカット式典が行われ、同州を主役としたカンパニア州ウイーク(週間)の幕が開けました。
カンパニア州の出展は、地質的、文化的な共通点を持つ日本とのつながりに焦点を当てます。それは特に、両地域の景観、歴史、伝統を形成してきた活火山の存在に注目したものです。
カンパニア州の象徴であるベズビオ(Vesuvius)山、英語ではフレグレイ平野(Phlegrean Fields)とも呼ばれるカンピ・フレグレイ(Campi Flegrei)地域、そして日本の象徴である富士山は、単なる自然現象以上のものを表しています。それは、それぞれの人々の中に深く根付いた精神的・文化的アイデンティティーの重要な要素です。両地域とも火山の力ならびに脅威と共存し、敬意と適応の関係を築いてきました
カンパニア州文化・観光政策局は、文化デジタルエコシステム(Digital Ecosystem for Culture)の取り組みとして「Fire and Memory(火と記憶)」プロジェクトを立ち上げました。その目的は、セノグラフィー(視覚的および感覚的に空間を捉え、表現する技術)を使った展示を通し、特にベズビオ山、フレグレイ平野、さらにはポンペイ(Pompeii)、エルコラーノ(Ercolano)(ヘルクラネウム(Herculaneum))、クーマ(Cuma)の考古学的遺跡に注目し、火山活動と古代文化の発展の関係を伝えることです。この意味において、考古学は過去と現在、破壊と再生を結ぶ架け橋になります。
展示コーナーでは、カンパニア州はイノベーションと持続可能性から発想を得た現地の製品を展示しています。この展示には、カンパニア州の伝統を再発見し、広く知ってもらうためのデジタル化処理が反映されています。展示の一部は、Programme Campania FESR(カンパニア州FESRプログラム)の助成により実施されています。
展示エリアの3つのコーナーは、カンパニア州の文化遺産デジタル化の促進に焦点を当てています。まず、見どころとしては、カポディモンテ(Capodimonte)のschool Istituto Caselli(カゼッリ陶芸学校)による、カンパニア州の豊かな陶芸伝統を代表する小物や作品があります。また、観光・クリエーティブ産業の代表として、キリスト降誕の場面を再現する現地芸術を支える職人技に焦点を当てたショーも開催されます。さらに、現地の文化遺産に関するSoNaデジタル化プログラムを支える技術も展示されています。
4番目のコーナーでは、ファッション、メード・イン・イタリー、先端素材、ナノテクノロジーに焦点を当て、木を伐採せずに生成された、革新的セルロース繊維で作られた衣服やジュエリーを紹介します。このコーナーには、ポッツオーリ(Pozzuoli)に拠点を置く皮革研究所の活動の一環として製造された手袋も展示されています。
5番目のコーナーでは、centre for digital craftsmanship(デジタル工芸センター)が開発した複数のデモンストレーションモデルが紹介され、6番目のコーナーはピッツァ(Pizza)をテーマとし、「Pizza Campana」のためのブロックチェーンの使用と、このテーマに関する革新的な実験に焦点を当てています。
しかし、カンパニア州を象徴するのは現地の食や風景だけではありません。このため、カンパニア州ウイークでは、同州に拠点を置き、航空宇宙、自動車、精密機械、物流、ファッション、皮革、アクセサリーなどの分野で卓越した事業を展開する企業の合同ミッションも紹介します。
カンパニア州農業局ニコラ・カプート(Nicola Caputo)局長は「カンパニア州は、その歴史、伝統、文化、職人技を最大限に表現することに努めます」と述べました。同局長はさらに、「私たちは伝統と革新の融合を体現します」と述べ、「文化遺産と景観の美しさをお見せする」と共に、「私たちの職人技の質と食品の健康価値の高さ」を紹介することにも努めると付け加えました。
2025年大阪・関西万博のイタリア政府代表(Commissioner General)であるマリオ・バッターニ(Mario Vattani)氏は「日本や世界各国のみなさまが、すでにカンパニア州の展示スペースに詰めかけています」と述べ、「これによって、私たちのプロジェクトへの参加を選んだ多くの地域の質の高さが示されています」と説明しました。
ソース:General Commissioner’s Office of Italy for Expo 2025 Osaka