【ワシントン共同】米国務省は22日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)のアズレ事務局長に対し、米国が脱退すると同日付で伝達したと発表した。「反イスラエル」の考えを問題視した。2026年12月末に脱退する見通し。米国は1期目のトランプ政権時にユネスコを脱退したが、バイデン前政権が復帰を決めて再加盟した。
第2次トランプ政権は、気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」の再離脱も表明するなど、多国間主義を軽視する姿勢を改めて鮮明にしている。AP通信によると、米国はユネスコ予算の8%に当たる分担金を負担している。
ロイター通信によるとアズレ氏は声明で「深い遺憾」の意を表明した。
米政府関係者はニューヨーク・ポスト紙に「中国が自国の利益に沿うよう国際基準を形作るため、ユネスコに影響力を行使している」と指摘。脱退の判断の背景には、国際機関で台頭する中国への危機感もある。
国務省のブルース報道官は声明で、ユネスコにパレスチナが加盟していることを「反イスラエルの論調を組織内に拡散させることにつながっている」と問題視した。