
◆プロ野球のコラムを参考に
金融マンにとって日本経済新聞を購読しての情報収集、そして相場予測は日常当たり前のことなのですが、しかしなにより私が楽しみにしていたのは経済関連の記事ではなく、毎週木曜日掲載の元プロ野球 西鉄ライオンズ 豊田泰光さんのコラム『チェンジアップ』(1998-2013)でした。
そのうちで最も記憶に残った、というか、内容を社内研修のネタとして使用したくらいの記事で、今回いろいろあたってみたのですが、単行本にも収録されていないようなので、記憶だけを頼りにご紹介します。
① 生涯一捕手といわれた野村克也さんは、打席に入ったバッター(特に新人)に、今日のピッチャーは調子がいいとか、次の配球はこれだとか、打者を惑わすような口頭戦術を仕掛ける
② バッターはそれが野村捕手の作戦だとは知りつつも、余計なことを考えさせられ、結果、バッターボックス内での立ち位置を変える
③ 立ち位置をその都度変えれば、ピッチャーの変化球はその分だけ軌道が変わって見えることとなり、まんまと術中にはまったバッターは打ち取られる
④ しかし、人の話を聞かないミスター長嶋茂雄さんには、この作戦はまったく通じなかった

いかにも長嶋さんらしいというオチなのですが、筆者がいいたいのはそこではなく(笑)、「変化するもの」に対して、「自らの立ち位置を変化」させてしまえば、ヒットさせる難易度はかなり高まる、という点です。...