この連載の前回分の終わりに、大幅な下落に対してどう対処すればよいのか、と大それた物言いをしましたが、その前に投資尺度というか、株価の適正水準を推し量る「物差し(目安)」について触れておこうと思います。
 株価は、言ってみれば「妥当であろうと判断する価格の合意」によって日々形成されている、としてよいのではないかと思います。
 誰も正解を知らないし、ある意味でそれを知る必要もないというところもあるでしょうか。

 株価の妥当性を判断するためのアプローチの方法は、大きく2つに分けられるかと思います。
① 個別企業の業績や経済指標など基礎的要件を材料とする「ファンダメンタル分析」
② 株価や経済指標の動きや売買動向をもとに方向性を推し量る「テクニカル分析」

 

 機関投資家であれ、個人投資家であれ、大抵この2種類の分析手法を “拠りどころ”にしているようです。
 これらに基づかない投資は、根拠ある売買として正当性を保たせることはできないと言えるでしょう。
 このあたりの詳細については、短期投資には縁がないなという方には、あまりご理解いただく必要はありませんので、念のため(笑)

 ところがです。
 ここからは、筆者の感覚的なところも多々ありますが、その点をご理解いただける前提で話を進めていきます。
 特に、短期で売買しようとすると、結構これらの分析指標による投資判断がアダになってしまっているように思えるのです。...