詐欺の被害金が振り込まれ、銀行が凍結した口座から不正に現金を引き出したとして、警視庁は28日までに、詐欺と公正証書原本不実記載・同行使の疑いで、コンサルティング会社「スタッシュキャッシュ」(東京都渋谷区)の実質的経営者林竹千代容疑者(61)=横浜市神奈川区=ら男3人を逮捕した。警視庁によると、公正証書を悪用したとみられる。

 林容疑者以外に逮捕したのは、同社役員井上達雄容疑者(73)=東京都杉並区=とシステム開発会社「Recrutas(リクルタス)」(東京都台東区)の元役員で中国籍の李小暢容疑者(37)=埼玉県川口市。

 逮捕容疑は共謀して昨年8月、スタッシュ社がリクルタス社に650万円の貸し付けがあるとする虚偽の公正証書を公証役場で作成し、リクルタス社の口座差し押さえの強制執行を裁判所に認めさせ、スタッシュ社の口座に約610万円を振り込ませた疑い。