コメ卸大手の神明ホールディングス(神戸市)は29日、仙台市の農業法人「舞台ファーム」と業務提携を締結したと発表した。共同事業の第1弾として水田に太陽光発電を設置し、農業活動に役立てる。コメの生産者は減少続きで、農家への投資を通じて生産者を育成し、調達強化につなげる狙いだ。
太陽光発電は来年2月、宮城県美里町にある約3・9ヘクタールの水田の上に設置。適度な遮光となり、稲の高温対策にもつながる。発電で農家が副収入も得られるようにする。共同実証を経て、全国展開を目指す。
神明の藤尾益雄社長は神戸市内で記者会見し「全国の農家と協力し、もうかる農業を実現する」と意気込みを語った。
舞台ファームの生産ノウハウと、神明の流通網により生産から販売まで支援が可能になるという。具体的には高温耐性があり、多く収穫できる品種の種子の提供や、自治体などとの連携による耕作放棄地への人材派遣を想定する。
農林水産省によると、基幹的農業従事者数は2020年に70〜74歳が最も多く、65歳以上の高齢者は全体の7割を占めた。