記者会見する日産自動車のイバン・エスピノーサ社長=30日午後、横浜市

 業績不振の日産自動車が30日発表した2025年4〜6月期連結決算は、純損益が1157億円の赤字だった。世界販売台数は前年同期比10・1%減の70万7千台。日米中など主力市場で軒並み落ち込み、トランプ米政権の自動車への追加関税も収益の悪化要因となった。メキシコのシバック工場での車両生産を26年3月末までに終了することも公表した。

 未定としていた26年3月期の純損益予想の開示を引き続き見送った。事業環境を見通すことが困難だと説明している。25年9月中間の本業のもうけを示す営業損益は、1800億円の赤字と見込んだ。

 トランプ関税は26年3月期の営業利益を最大で3千億円下押しする見通しだ。これまでは最大4500億円としていたが、日米関税交渉の合意により打撃が緩和される。

 25年4〜6月期の売上高は9・7%減の2兆7069億円。営業損益は791億円の赤字だった。

 シバック工場の生産は同じくメキシコにあるアグアスカリエンテス工場に移管する。世界で7工場を削減する計画の一環となる。