【ヤンゴン共同】ミャンマー軍事政権は31日、2021年2月のクーデターに伴って発令した非常事態宣言を解除した。これまでに7回延長を繰り返し、解除は4年半ぶり。憲法は非常事態宣言解除から6カ月以内に総選挙を実施すると定めている。軍政は12月にも民主派を排除した総選挙を行う方針で、形式的な「民政移管」に向け準備を本格化させる。
国軍に抵抗する民主派や少数民族武装勢力との内戦が続いており、総選挙を実施できる地域は限定的とみられている。国軍系政党が勝利し、実質的な軍政支配が長期化する公算が大きい。
軍政トップのミンアウンフライン国軍総司令官は31日の会議で「総選挙は成功するだろう」と自信を示し、国民に協力を呼びかけた。
総司令官はクーデターで、民主派指導者アウンサンスーチー氏が率いた国民民主連盟(NLD)が大勝した20年の総選挙を「不正」を理由に無効とした。12月から来年1月にかけ「自由で公正な」総選挙を行い「勝利政党に権力を移譲する」と強調。内外に「民意で選ばれた政権」をアピールする狙いだ。