中央最低賃金審議会の小委員会=1日午前、東京都千代田区
 最低賃金を大幅に引き上げるように訴える労組関係者=11日、東京・霞が関の厚労省前

 厚生労働相の諮問機関、中央最低賃金審議会は1日、最低賃金(時給)の2025年度引き上げの目安として、全国平均で6%(63円)前後を示す方向で調整に入った。昨年度の目安5・0%(50円)を上回り、現行方式となった02年度以降、金額、上げ幅いずれも過去最大となる水準だ。現在の平均時給は1055円で、実現すれば1118円前後になる。

 同日、6回目の小委員会で決着を目指し夜まで協議したが、労使の主張にはなお隔たりがあり結論を持ち越した。次回は4日に開く。

 最低賃金は都道府県ごとに決まり、現在の最高は東京(1163円)で、最低の秋田(951円)など31県は千円未満。調整している目安通りに改定されれば全都道府県で千円を超える計算だ。

 最低賃金は各都道府県の地方審議会が、中央審議会の目安を参考に、地元の改定額を決める。例年だと8月上旬から順次、決まるが、小委員会の長期化で遅れが出る可能性がある。