十字架などが立てられた米テキサス州のグアダルペ川沿いを歩く男性=7月31日(AP=共同)

 【ロサンゼルス共同】米南部テキサス州で大規模洪水が発生してから4日で1カ月。米メディアによると少なくとも136人が死亡し、脆弱な警戒態勢が被害拡大を招いたとの見方が強い。再発防止に向けた州議会の公聴会では、多数の死者が出た同州カー郡の防災責任者らに批判が集中。カー郡カービルの市長は、来年夏までの洪水警報システム導入を求めた。

 7月31日に開かれた州議会の公聴会で、カー郡の防災責任者は洪水発生時に体調不良のため休んでいたと明かした。大規模水害の発生は「予想を超えていた」と弁明した。

 洪水は祝日だった米独立記念日の7月4日未明に起きた。豪雨でグアダルペ川の水位が45分間で8メートル上昇し、川沿いのキャンプ場「ミスティック」では少女ら少なくとも27人が亡くなった。

 郡警察トップが対応に着手したのは被害が広がり始めた後だったことも判明。公聴会に出席した共和、民主両党の州議員は「立場のある人間が何もしなかった」と非難した。